こんにちは独身アラフィフ介護士のミノタケです。今日はこれから夜勤ですが、昨日まで連休だったので道の駅で趣味の車中泊をしてきました。夜間の車内は2,3度から零下くらいまで冷え込みましたが自分なりに防寒対策をガッツリやっていたので、なんとか眠れましたよ(^^)

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さて、この休みでやっと件の書、エミン・ユルマズ氏著「米中新冷戦のはざまで日本経済は必ず浮上する」(かや書房)を読了できました。新年一冊目の読書です。あらためてみると凄くタイトル長いですね(笑)。これに加えて「令和時代に日経平均は30万円になる!」というサブタイトルまで付いています。どんだけ情報詰め込むの!?

私は米国株(および米国株中心のインデックス・ファンド)をメインに投資をしています。しかしTwitter上でやたら日本株に強気なエミン・ユルマズ氏の発言に、「どうしてこの人はこんなに日本株に強気なのだろう?」と興味を持ち前著を読むところから始めました。

それでも強い日本経済!
エミン・ユルマズ
ビジネス社
2019-11-15

この本でも「新冷戦」「ジャポニスム」というキーワードは出てきて、今回の新著でも両テーマは大きくページを割いています。ちなみに投資の面で興味があるのでしたら、前著のほうがより具体的でオススメかもしれません。

新著のほうは投資という側面より、より大きく世界経済の流れや価値観の変化など俯瞰的な視点から描かれています。ただ、これらのテーマは投資の材料・ヒントにもなるので、私自身は大いに参考になりました。

今回の本でも最後の章で投資をテーマにしています。個人的感想ですがなんとなく編集さんから「投資にしぼった章を一つつけてくれ!」ってお願いされたような付け足し感があります(^^)。この本では著者自身はもっと大きな世界的な流れを伝えたいのを感じました。

新しい本ですし、あまり内容をネタバレするのは著者の利益を損ないますのでほどほどにしておきたいと思います。私自身が興味を持った「日本株に強気な理由」にも連なる「ジャポニスム」に触れるに留めたいと思います。

ジョポニスムとは19世紀後半にヨーロッパを中心に起こった日本美術のブームです。日本製の器など輸出品の包み紙として使用された浮世絵を見た西洋人が「え…!?何これトレビアン過ぎる!!」と萌えまくったワケですね。印象派絵画で有名なゴッホなどがパクりまくった絵を沢山描いています。人物中心に描く西洋の絵画(元々は宗教画から始まってますからね)に比べて自然・風景をメインテーマとする物が多い(役者絵などもありますが)日本の浮世絵は、面ではなく線で形を描くその手法もあいまって新鮮だったのでしょう。

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浮世絵クール過ぎる!!」とばかりにゴッホさん、背景に日本画の模写を描きまくる。
そんな一大ブームはおよそ50年続きました。著者はそれと同様な一大ムーブメントが今起こり始めているのではないか?と語っています。

パッと頭をめぐらせるだけでもポケモンやマリオなどのゲーム、日本のアニメーションなどが浮かんでくるのではないでしょうか。現在はそれに留まらず、日本料理も海外で人気です。また日本を拠点に衣服などを作ったりしたほうがトータル的に見て結局安く上がりしかも、付加価値があるということで利益も出るという判断から国内の会社に限らず日本を拠点に製造工場を持つ動きが出ています。勤勉であり完璧を求める日本人の志向が評価されているわけですね。これはコンピューターなどの製品なども含まれます。

また物価の安さも手伝ってますが、観光業も盛んです。これは海外の人が日本に興味を持っていることの表れで、日本のコンテンツにはそれだけの価値・魅力があるということですね。そしてそれへのアクセスを容易にするためのインフラ(道路・交通)が日本は非常に充実しています。

私達日本人にとって当たり前に感じるようなことが、海外では驚きを感じさせることが結構あって、日本中どこを行っても整備されている道路事情というのもその1つでしょう。

私の住まいの近くにも現在リニア駅が建設中です。「こんなん誰が乗るんだ?」とか思ってましたが観光の面で考えてみると利便が良くなるしリニア自体も大きなコンテンツになり得ますね。

これに「新冷戦」の要素も加わり、日本という地理的価値もあって日本株への強気につながってくるわけです。

私は読んでいて主観的な部分もあるかなーと思いつつも「う~ん、なるほど」と思いました。個別株は難しいので少し日本株のインデックス・ファンドを買うのも悪くないかなと思いました(^^)。またソフトバングループの株も「ここも新冷戦を背景にした強気株とも考えることができるな」ともちょっと思いました。

少し嫌味な見方になってしまいますが、「エミンさんみたいな日本株に強気なアナリストがいるのは、日本株式市場界隈の人にとってはありがたいよな~」とも思いました。「都合がいい」と言ってはなんですが。


とはいえエミン・ユルマズさんの本を読んで凄く勉強・参考になりましたよ。今回は投資面より各国家間のパワーゲームの様相とかそういった側面が強いですが、それがとても面白かったし興味深かったです。著者の「日本の皆さん、もっと自信をもって!強気で行きましょうよ!!」というメッセージを強く感じました。

非常に中身が濃く、読み応えがありました。日本の行末に関心があるならオススメの一冊です!