こんにちはアラフィフ独身介護士のミノタケです。ふと興味をもって図書館で借りて読んだ『世界「倒産」図鑑』(荒木博行・著/日経BP社)が思った以上に面白く、株式投資の面でも参考になるかもと感じたので感想を書いてみようと思います(^^)




この本は過去に倒産の結末を迎えた名のある企業達のその倒産に至る道を描き、それを材にいかに自分たちの教訓、学びに出来るかをテーマに描いています。その企業数25社!国も日本国内からリーマン・ブラザーズ、コンチネンタル航空、MGローバーなどの欧米国もとりあげ多彩で時代も明治~昭和を駆け抜けた鈴木商店から、平成に立ち上がり消えていったエルピーダメモリまでとバラエティに富んでいます。

手に取ると分厚く大きめなサイズの本で「借りている間に読み切れるかな?」とやや不安でしたが、紙が厚めで1社あたり簡潔にまとめられていてスラスラと読める読みやすい本でした。

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各企業の栄枯盛衰が描かれるのですが、いくつか印象的だった言葉を抜き出してみます。

・そうならないためにも、私たちは常に「学習気質」を同時にインストールしておく必要があるのです。つまり、「分析できないことにはチャンスがある。 失敗を通じて学習していこう」というスタンスです。(~ポラロイド「分析体質」が行き過ぎて倒産~より)

・過去の成功を受けて、当面は収入に困らない仕事がある。そしてその収入をベースにしながら、養うべき家族がある。しかし、中長期的には技術転換があり、その仕事がなくなる可能性がある……。こんな風に置き換えてみる と、この意思決定の難しさに対するリアリティを感じられるのではないかと思います。(~コダック 希望的観測を抑え込めず倒産~より)

・私たちは、結果が良い時ほどプロセスにこだわらなくてはならないのでしょう。(~山一證券 プロセスを軽視しすぎて倒産~より)


株式投資というより、自分たちが取り組む仕事や生活する上でも参考になりそうな、反面教師に出来るような内容がありました。他にも英会話のNOVAの社長の豪華すぎる社長室とか、「こういう会社に投資したらダメだな」「こういう所に着眼するといいのか」と思えるようなヒントがたくさん載っていて、期待以上に楽しめました。

書いたように一遍がスラっと読めるボリュームなので、読みやすくオススメです。著者の他の本にはどんなのあるのかな?と興味を覚えました(^^)。まぁ読みかけの本や積んでいる本もあるので手が回りませんけど^^;

あとがきの「おわりに」のところも良かったです。

・本書に取り上げた25社を敢えて乱暴にまとめるとするならば、これらの企業はある重要なターニングポイントにおいて「戦略的」ではなく、「短絡的」になってしまっていた、と言えるからなのです。そごう、山一證券、ゼネラルモーターズ、鈴木商店…洋の東西や時代を問わず、重要なタイミングで「短絡的」になってしまうとそれが致命傷になりうることを、これらの事例は私たちに教えてくれました。

明確なビジョンや理念を持ち、それにそって愚直に地道に取り組む…会社も人も、そういうことが大事なのでしょうね。個人的には前に辞めた会社もまさに短絡的な動きをしているように思えて呆れて辞めていたなぁ(笑)自分自身も気をつけねば。

「FIRE」に興味ある方は良ければこちらも…



LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界
マシュー・D・ラプラント
東洋経済新報社
2020-09-01


こちらは「世界倒産図鑑」を借りたことで、読みかけとなってしまった本。対して大ボリュームで難しい用語もあったりミノタケにはヘビーな一冊ですが、面白くなってきたところだったので続きを読むのが楽しみです(^_^)